飲み屋における「位取り」と「拍子」の重要性/(身辺雑記)
- 2016/02/11(Thu) -
 昨日は、日帰りで能登まで行って、口腔ケアに関するインタビューをしてきた。

 北陸新幹線に初めて乗ったのだが、いやまったく便利なもんだね。

 これまでは金沢や富山で取材となると、羽田から飛行機でのアクセスがメインだったのだが、北陸新幹線のおかげで拙宅の最寄り駅から、なんと乗り換え1回で金沢に着いちまうのである。

 長生きはするもんだ。


 七尾の病院で16時から所要1時間のインタビューを終え、金沢駅で1時間ほど乗り換え待ちの時間があることから、簡単に夕食にしようと駅中にある居酒屋に入る。

 時間も限られているので、ちゃちゃっと済まそうとカウンターに座り、手取川の生と寒鰤の刺身、地魚のしんじょう揚げ、ノドグロのへしこを頼む。

 すぐに手取川とガラスのぐい飲みが出てくるが、それだけ・・・。ここは突き出しのない店のようだ。

 ま、最近は突き出しはいらないなどという、風流を解さない酒飲みや下戸の客も少なくないと聞くのでしかたがないが、オーセンティックな酒呑みとしては、まずは突き出しでその店の料理のレベルを吟味しつつ、とりあえず出された酒を飲みながら料理の到着を待つというのが、本来の酒呑みの王道であろう。

 そういえば市谷に「かど」という割烹があるのだが、ここに入ったら突き出しに干し柿の白和えを出してきて、これがまた獺祭の大吟醸に驚くほどマッチして、「これは、うまい!」と唸ったものだ。


 さて、カウンターで突き出しもなく、さりとて頼んですぐに料理が出てくるものでもなかろうから、やむをえずすきっ腹のまま手取川をちびちびと飲んでいるのだが、待てど暮らせど料理が出てこない。

 店内は、祝前日の18時ということで、7割くらいの込み具合である。

 おまけに、私の後に入店してカウンターに座った左右の客には、料理が次々と運ばれてくる。

 待つこと約30分。

 しかし、いまだに何も料理が出てこず、私の右隣の客などは、私の後に入店したにもかかわらず、刺し盛りと焼き魚、生ビールを一杯飲んで、帰っていった。

 また左隣に座った、関西弁コテコテの若いカップルは、やはり私の後から入店したのに、チューハイを飲みながら楽しそうに漁師めし定食とあふれ海鮮丼を食べている・・・・。

 肴どころか突き出しもないまま、酒だけをあてがわれて小半刻。

 酒も飲み干してしまったので、しかたなくお運びの姐さんをよんで、かくかくしかじかと伝えると、1分とたたずに鰤刺しとしんじょう揚げが出てきた。

 その際、ぼそぼそっと「お待たせしました・・・」と一言。

 おいおい、そこは、「たいへんお待たせしました。申し訳ございません」だろう?

 こうなるともう、味も何も、うまくもなんともない。結局、ノドグロのへしこは電車の時間に間に合わないのでキャンセルする。

 さらに、会計を済ますとこの店は、「お客様お帰りで~す!」「ありがとうございましたぁ!!」とスタッフ全員の斉唱で送るのがお作法らしいのだが、なぜか私には声がかけられなかった・・・・。

 ったく、てめえら脚斬るぞ、ゴラァあああああ!!!!!!!!!(怒)。

 と内心怒髪天をつきながら、しかし真っ当な社会人のたしなみとして無言で店を後にした私は、やむなくキオスクで菊姫のワンカップと蛍烏賊の燻製を買い、肩を落としてとぼとぼと上りの北陸新幹線に乗り込んだのであった。


 それにしてもだ、駅中の店、しかもビジネスパーソンにとって北陸出張のハブ駅たる金沢駅の中にある店なんだからさ、客は基本、電車の乗り換え前提で立ち寄るわけで、そういう立地にある店ってことを考えれば、まずはなによりオペレーションを優先しろや、このタコ助! っと思うのは、けして傲慢ではないと思う。

 場の位取りや拍子というのは、武芸に限らず飲食業でも重要なのだと、件の店の店長や経営者を板の間の稽古場で正座させながら4時間ぐらい説教してやりたいと、しみじみ思った北陸出張であった。


 なお、わが地元・武州に帰りついた際、拙宅最寄り駅の駅中にある(埼玉県民の心のふるさと)日高屋に入り、餃子にチャーハンを注文したら、あっという間に調理されて熱々が出てきたぜ!

 やっぱ駅中の飲食店ってのは、こうでないとな。 

 (おしまい)
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