念のため申し上げておきますが、柳剛流は甲源一刀流の「裏術」ではありません/(柳剛流)
- 2016/03/04(Fri) -
 SF警察ならぬ、「柳剛流」警察の翠月庵です。

 ついに柳剛流は、他流の「裏技」にされてしまいました・・・・・・、うぅぅ(涙)。



【柳剛流】(りゅうごうりゅう)
足斬りの法を得意とする、甲源一刀流の裏術。


「隆慶わーるど・別館」より
http://yoshiok26.p1.bindsite.jp/bekkan/kenjutsu/pg227.html




 ・・・・・・・・・・・・。

 それにしても、ひどい。

 何が悲しくて我らが柳剛流が、甲源一刀流の裏技になってしまうのか。

 このページ、作家の故・隆慶一郎氏の公式ホームページの別館とのこと。そして本サイトはすでに閉鎖されている模様である。

 まあ故人のページだし、武術人ではなくフィクションを描く小説家の記述なので、しょうがないっちゃあしょうがないんだろうけど・・・・・・、それにしても甲源一刀流の裏技というのは、あまりにもひどすぎるではないか!

 (注:甲源一刀流そのものに対して他意はありません、念のため)

 このホームページでは、

 「資料に基づいた記述を心掛けておりますが、考証を目的とした解説ではありませんので真偽については、各人それぞれの判断に委ねます」

 との一文がある。

 それにつけても、故人、しかも著名な作家に対して失礼なのは承知の上で言わせてもらえば、


 そもそも、どんな資料に基づいてんだ、このタコ助がぁぁ!!!!!!

 脚斬るぞ、こんチクショウ!!!!!!



 というのが、柳剛流の修行人であり、物書きの端くれでもある私の心の叫びである。

 「個人の判断に委ねる」とかいう、言い訳以前の問題だぜ、いやほんとマジで。シバリョウにしてもこの人にしても、無名ならまだしも著名なだけに、より罪深いんだよなあ。


 そういえば、最近の時代小説や格闘漫画で、主人公や登場人物が柳剛流の遣い手であったりするのがいくつかあるようだけれど、オソロシクて私は読んでいない。

 問題なのは、創作物の記述を史実と勘違いする人が少なくないことで、一般の人はもちろん、中には武術関係者でも、事実とフィクションを混同している人がいるから困る。

 以前、ある武術関係者と宮本武蔵に関連する話題になった際、その人物は『小倉碑文』どころか、相当脚色がされているであろう『二天記』も参照したことがなく、そもそも『五輪書』すら読んでおらず、テレビドラマや映画とシバリョウ先生のトンデモ本『真説 宮本武蔵』だけで、武蔵を論じていたのには閉口したものだ。

 また時折、手裏剣術関係者で、刀法併用の手裏剣術に関して、「武蔵が宍戸梅軒を倒したときに、云々」とかいう人が結構いるのだが(白上一空軒先生の罪は大きいね・・・)、

 「宍戸梅軒って誰? 梅軒とか誰なの? 梅軒!? はぁ!? まじですかぁ!?」

 っと、ナンギン(※)のキャバクラのお姐さんばりに、息もつかせず二刻ぐらい問い詰めたくなる私は、心の狭い人間なのだろうか。 

 ロマンをロマンとして語るのはいいのだけれど、少なくとも古流武術に実際に関わる者は、公においてフィクションと史実はきちんと区別するべきであろう。


 それにしても、「卑怯」とか「みっともない」とか「百姓剣法」とか言われるのは慣れているが、もはや他流の裏技呼ばわりですぜ・・・・・・。



(※注)ナンギン
 新宿や池袋辺りでは客引きが禁止されて久しいが、ここではいまだに路地に入ると色っぽいお姐さん達が沿道にズラリと並び、道行く酔っ払いの袖を引いたりオイデオイデをする、江戸の新吉原やハマの黄金町もびっくりの、武州・埼玉最大の魔境・・・もとい歓楽街。正しくは、大宮南銀座という。
 翠月庵の前身の道場が大宮にあった2006年頃、私もよく稽古帰りにナンギンで飲んだものだが、最近はすっかりご無沙汰である。あそこには、焼き蛤のうまい小料理屋があってねえ・・・・・・。

 (了)
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