A Prayer for the Dying/(身辺雑記)
- 2016/05/08(Sun) -
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 17日間、末期がんで死につつある母の病室で過ごした。

 終末期鎮静で昏睡となり、すでに10日以上わずかな水分のみしか摂取していないものの、いまだ心臓の鼓動は止まらず、深く眠ったまま枯れつつある母を病床に残し、今日、武州の拙宅に戻る。

 最後の別れの言葉、麻酔による昏睡、無意識ながらも訴える夜毎の苦悶、献身的かつプロフェッショナルな医師や看護師たちの姿、21時から5時までの長い夜、マスクから流れる酸素の音だけが響く病室で読むサン=テグジュペリ、急激な酸素濃度の低下とその度の覚悟、肉親の間の軋轢と葛藤と娘たちの涙。そして、死にゆく者への祈り。

 次に母に逢うのは、息を引き取った後となるだろう。


「ポーラよ、奇妙な戦争だねえ。淋しい、深いブルーの戦争だねえ。わたしはちょっと迷ってしまった。年を取ってこの奇妙な国を見つけたんだもの・・・。いいや、こわくなんかない。ちょっぴり悲しいだけさ」  ~『アラスへの飛行』(アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ)~

 (了)
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