柳剛流の鍛錬~居合/(柳剛流)
- 2016/05/27(Fri) -
 柳剛流(りゅうこうりゅう)には、「向一文字」「右行」「左行」「後詰」「切上」と、5本の居合が伝えられている。

 修行人はこれら5本の形を、切紙の階梯において学ぶこととなる。

 各形の具体的な体動については師伝のためここでは詳述しないが、以下にその特長や意義について考察してみよう。


 形の構成は実にシンプルであり、基本となるのは1本目の「向一文字」である。

 その後に続く2本目「右行」、3本目「左行」、4本目「後詰」は、いずれも基本的に「向一文字」を左右と後ろ方向に展開したものとなる。そして5本目の「切上」のみ、他の4本の形とは異なる運刀法となっている。

160527_左行
▲柳剛流居合「左行」


 先に本ブログで記した「柳剛流の精髄~右剣と左剣」という小文で、柳剛流剣術の「右剣」と「左剣」の2つの形の特長について、

 その「体捌き」は、剣術は元より居合や長刀においても、当流では全てにおいてこの独特の体捌きを用いる(突杖のみは別である)。これが柳剛流ならではの拍子の位を産み出し、また圧倒的な斬撃力の根本ともなる。

 と述べた通り、居合でもこの柳剛流特有の「体捌き」が用いられる。

 しかもそれは、剣術における立位よりもはるかに身体的に窮屈で負荷のかかる、座位で行われるのだ。

 さらに柳剛流居合では、抜付や斬下ろしの際、現代の居合諸流に多く見られるような、踵と尻を離して腰を立てた姿勢はとらない。必ず尻が後ろ足の踵の上に乗った折敷の姿勢で、抜付、受け、斬り下ろしを行う。

 これらの点に、柳剛流の居合形の大きな意義がある。

 剣術形よりも身体的に大きな負荷のかかる、古式に則った腰を立てない座位にて、さらに当流独特の体捌きを用いつつ運刀を学ぶことで、柳剛流ならではの拍子の位と強烈な斬撃力の根本となる、「地力」を徹底的に養うのである。

 また柳剛流の居合では、できるだけ長い刀での稽古が推奨される。

 私は残念なことに、現在、二尺一寸、二尺二寸、二尺三寸五分、二尺四寸の刀や模擬刀(居合刀)しか所持していないので、自宅での稽古ではこれらを用いて居合を遣うが、本部稽古の際には師の二尺七寸の差料をお借りして稽古を行っている。

 理想としては、三尺刀で柳剛流の居合を抜けるようになれば最良であろう。

 以上の考察から柳剛流における居合は、当流ならではの心身の土台を作り上げる最も重要な鍛錬法のひとつであるといって過言ではない。

 実際のところ私自身、慣れないうちは5本の形を一通り続けて行うだけで、下半身がぱんぱんになったものである。今でも、1時間以上続けて居合の形稽古だけを続けるのは、かなり厳しい(苦笑)。


 「居合は運刀を学ぶための鍛錬である」というのは言わずもがなだが、総合武術たる柳剛流の教習体系においては、特にそういった「鍛錬」の意味が強いといえるだろう。

 (了)
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