10月の本部稽古~日本柔術、柳生心眼流、柳剛流、伝書講義、水月の当て/(武術・武道)
- 2016/10/31(Mon) -
 昨日は、水月塾本部での稽古。

 まずは小佐野先生より、日本柔術(甲陽水月流)の中伝逆取、同逆投のご指導をいただく。

 次いで柳生心眼流。

 中極の打込から落の表までを教えていただく。素振の形は表→中極→落と進むごとに、難易度が高くなり難しさを実感するが、一方でその術理の奥深さをしみじみと感じることができる。

 稽古の最後は、柳剛流。

 師に打太刀を執っていただき、剣術と長刀の形をみていただいた。


 さて稽古後は、本部稽古の際のお楽しみである、師による伝書講義。

 今回は、『死活伝之巻』についてご講義をいただいた。

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 本伝書は、楊心流大江専兵衛より起倒流深井派の深井勘右衛門に伝えられた系統のもので、天保年間に山田貞六郎から小倉祐輔に伝授されている。

 ここで注目したいのは、武術・武道関係者であれば知らない人はいないであろう、いわゆる「3年殺し」について明記されていることだ。

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 伝書の巻末、急所図の後に、

 「伝にいわく、水月はいったん生きても3年を越えず」

 と記されている。

 つまり、水月の当てで仮死に至った場合、活法でいったん蘇生しても、3年以内には死に至るということであろう。

 「3年殺し」といえば武術・武道関係者はもとより、筋肉少女帯の歌の歌詞になっているぐらい、よく世間で知られたものだが(ま、筋少がどの程度、世間的に普遍性を持っているのかについては、議論の余地があるが・・・)、古文書に記された一次資料は、ほとんど見ることがないのではあるまいか?

 生理学的・医学的に、いわゆる「3年殺し」が実現可能かどうかは別として(医療を専門としている記者として、個人的には意図しての厳密な3年殺しというのは不可能と思われる)、五行思想や経絡理論を背景に、そのような教えが現実に江戸時代の武芸において、秘伝として伝承されていたということは、たいへんに興味深い事実である。

 その後、伝書講義に関連して、師より改めて水月の当ての実技に関する留意点などについてご指導をいただいた。



 水月の当てといえば、その昔、空手道の稽古を始めたばかりの頃、地稽古で何度となく悶絶させられたものである。

 1999年頃はまだ、伝統派空手道も今ほど厳密な寸止めではなく、試合などでも主審によっては、特に中段の突き蹴りなどほとんどフルコンタクトで当てないと有効打として取ってもらえないことが少なくはなく、普段の稽古では「当て止め」が当然であった。

 そこでカウンターのワン・ツーなどを不用意に食らうと、最初の左刻み突きで意識が上段に持っていかれた上で思い切り右の中段逆突きが水月に入るものだから、さすがに試合中ではそういうことはなかったけれど、道場での地稽古では先輩や師範方に、しょっちゅう悶絶させられた。

 おまけに、拳サポをしてこれをやられると、素手の時以上にボディに効くんだよねえ・・・・・・。

 それを考えると、ボクサーやフルコン系の空手家の方々の打たれ強さというのは、本当に大したものだと思う。

 こういう荒っぽい稽古は、若い武術・武道人にとってはたいへん重要なものだけれど、私のような知命を目前にした老兵には、医学的にオススメすることはできず、というか、もうそういう稽古はちょっとやりたくない・・・・・・(爆)。

 いやほんと、意識をそらされた時の水月の当ては、実に効くもんです。

 (了) 
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